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背景にロゴが同化し気付かず。再エネタスクフォース資料の中国企業ロゴ表示問題

 自然エネルギー財団は26日、22日開催の「第30回 再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォース会議」(再エネTF会議)に提出された「構成員提言の参考資料集」において、表紙以外のすべてのページに中国国家電網のロゴが表示されていた問題について、経緯を説明した。

 同財団によると、このロゴはもともと2016年5月25日と26日に韓国ソウルで開催された、国際送電網に関するワークショップでの講演資料に含まれていたものだという。その後、2016年7月にアジア国際送電網研究会が設置され、アジア国際送電網構築に関する調査研究を開始。中国国家電網、韓国電力公社、日本創生会議などの機関からの提案が行なわれており、2016年12月にはこれらを比較検討するための資料が、同財団事務局長の大林ミカ氏により作成された。

 この資料では、上述のワークショップでの中国国家電網の資料の中からスライドを取り上げたが、その際に元のスライドの上部の青い部分を削除し、説明文や地図サイズの加工を行なったという。しかし、削除した青い部分と右上のロゴが別素材であり、背景の白と同化してしまったことで気付かないまま残ってしまい、同氏はその後も中国国家電網のロゴが残ったままのスライドをベースに資料を作っていたという。

(上)中国国家電網の資料のスライド、(下)上のスライドから作られたアジア国際送電網研究会向けのスライド

 再エネTF会議の資料は、会議資料のフォーマットをあわせるため、同財団のロゴがヘッダーに入った通常のものではなく、中国国家電網のロゴの残ったスライドがベースに使われた。アプリケーション(Keynote)上ではロゴが見えないものの、PDFに変換したことでロゴが見えるようになってしまい、公表前の点検が不十分なこともありそのまま公表されてしまったと説明している。

 これ以外にも、金融庁、経済産業省などの会議資料として用いられたスライドにおいても、同財団のロゴだけを表示するスライドに中国国家電網のロゴが残っていたという。

同財団のロゴだけを表示するスライドにもロゴが残っていたという

 同財団では、再エネTF会議などの政府会議やほかの会議の資料の内容自体は、当初の中国国家電網の資料とは全く関係ないと説明するとともに、資料作成と提出において深く検査をしていれば防げた自体だとして謝罪している。