マイクロソフト、Office 2000をこの夏発売
IME最新バージョンも公開

MS発表会
挨拶するマイクロソフトの阿多親市氏
第2四半期以降('99年6月10日から3週間から6週間遅れ)発売予定

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入れ立てのお茶
発表会場で行なわれたIME 2000のデモ。開始早々“淹れたてのお茶”を入力し、「こちらのほうがより難しい字を入力できました」とATOKへのライバル意識をむき出しにした。
音声認識デモ
初めて公開されたマイクロソフトの音声入力システム。SAPI(Speech API)とNECのSmartVoiceを使ってデモを行なった。
 マイクロソフト株式会社は都内のホテルで記者会見を開き、ビジネス統合アプリケーション「Office 2000」の発売時期、商品構成などを公開した。発売時期は、米国での発売が'99年6月10日で、日本での発売は3週間から6週間遅れての発売になるという。

 また3月31日から4月13日の間、最終評価版配布に関する募集を行なう。Office 2000の最上位バージョン「Office 2000 Premium 日本語版」の最終評価版が2,000人限定で無料配布され、製品発売まで無償ユーザーサポートも実施される。募集はマイクロソフトのWEBの「Office製品のページ」で行なわれる。

 発表会では日本市場に向けての改善点、新機能が公表されると共に、個人ユーザーにとってのメリットなどがプレゼンテーションされた。
 今回の主な改善点としては、マニュアル/ヘルプ機能の強化、バージョンによるファイルの互換性などOffice 97でユーザーから指摘のあった点を重点的に改良したほか、細かい使い勝手にも気を配ったとしている。
 特にオンラインヘルプ機能に関しては「中級者以上が対象だが、初心者でも使えるように自然言語テクノロジを駆使したヘルプ機能を充実させた」という。自然言語テクノロジはOffice 97でも搭載されており、話し言葉で質問するとそれに対応した答えや選択肢を返答してくれるものだが、今回解析データベースを強化することでよりユーザーの意向に添った答えを返答してくれるという。ヘルプ機能以外にも様々なアイディアや作業のヒントを与えてくれる“Officeアシスタント”がより大きな役割を果たしている。
 例えば「PowerPoint 2000」ではプレゼンテーション資料の作り方のスタイルシートなど初心者を対象としたものを収録したほか、作業中にOfficeアシスタントがバックで起動しており、よりよいクリップアートの提供や、句読点が足りないなどの注意を行なってくれる。

 全体的に、従来の機能のチューンナップにかなり時間を割いているようで、これまで細かい部分で使い勝手が悪かった部分を改良している印象だった。

■日本語入力システム「IME 2000」

 これまでからOffice 2000にWord 2000が収録されることはアナウンスされていたが、日本語入力システム「IME」に関してはあまり触れられていなかった。今回の発表会で正式名称を「IME 2000」として、リリースされることが公表された。

 従来バージョンのIME 98は変換アルゴリズムの強化を目標として開発されたが、今回のIME 2000ではアルゴリズムより大量の文章、文献(98開発時の3倍)をもとにデータベースのチューニングを行ない、変換精度を向上させたほか、変換スピードも数10%アップさせたという。
 また、IME 98では学習機能を重要視するあまり、学習された内容を優先して変換してしまう傾向があったという。IME 2000では、学習した内容と変換選択候補と比べ、変換内容として適切かどうかを判断するようになった。

 このほか、IME独自の機能となる手書きアプレットの強化や、マウスによる操作が可能になったこと、Office 2000アプリケーションとの連携などが取り上げられた。

 辞書に関しては、カタカナ英語辞書、人名地名辞書、話し言葉辞書などが強化された。例えば、カタカナ英語辞書では“なとー”と入力すると“NATO”と変換するほか、“でじかめ”と入力すると“デジカメ”のほか変換候補として正式名称の“DigitalCamera”と変換される。

 プレゼンテーションの最後にIME 2000、SAPI(Speech API)とNECの音声認識ソフト「SmartVoice」を使った音声入力アプレットのデモが行なわれた。これはマイクから入力された音声を音声認識ソフトで解析後、SAPIを通じてIME 2000に取り込み、変換を行なうというもの。現在開発中のシステムでありOffice 2000に同梱されるかどうかは未定だが、「日本発で技術開発が行なわれている」点が強調された。またこの技術は、Office 2000のヘルプ機能などで利用できるほか、IME 2000で入力することのできるすべてのアプリケーションで利用可能という。

■Office 2000製品構成

 Office 2000では購入ユーザーによって製品が選択できるようにパッケージがいくつか用意される。

  Standard Professional Premium Developer
IME 2000
Word 2000
Excel 2000
Outlook 2000
PowerPoint 2000
Publisher 2000
×
Access 2000
×
顧客データマネージャ 2000
×
Microsoft Business Planner
×
Bookshelf Basic 2.0
×
FrontPage 2000
×
×
PhotoDraw 2000
×
×
Development Tools
×
×
×

□マイクロソフト株式会社のホームページ
http://www.microsoft.com/japan/ms.htm
□Office 2000の最終評価特別提供プログラム配布に関するニュース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/releases/0330offi.htm
□Office製品のページ
http://www.asia.microsoft.com/japan/Office/default.asp
□Office 2000プレビューページ
http://www.asia.microsoft.com/Japan/Office/Preview/
□関連記事
【2月25日】マイクロソフト、Office 2000推定小売価格公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990225/ms.htm

('99年3月30日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp