鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第61回:1月11日~1月14日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


1月12日

■■SGI、Windows NTプラットフォームのワークステーション
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990112/sgi.htm

IVC(Integrated Visual Computing)
アイブイシー

 マルチメディア環境の高速化を目的に、Silicon GraphicsとIntelが共同で開発した、メモリコントローラとグラフィックスコントローラを1チップに統合したアーキテクチャ。

 一般的なPCでは、CPU周りの諸機能はノースブリッジと呼ばれるコントローラに統合されており、CPUはFSB(Front Side Bus~いわゆるシステムバス)、グラフィックスコントローラはAGP(Accelerated Graphics Port)、各種I/OはPCI(Peripheral Component Interconnect)を経由してコントローラに接続される。各バスは、FSBが66MHzないし100MHzの64bit、PCIが33MHzの32bit(66MHz、64bitもある)、AGPが66MHz(x1)もしくは133MHz(x2)の32bit(266MHzのx4もある)で動作しており、各バスのバンド幅は下記の表のようになる。

 IVCでは、グラフィックスアクセラレータを統合することによって、AGPに相当するアクセラレータ-メモリバス間のバンド幅を3.2GB/秒にアップ。I/Oバス側は1.6GB/秒のバンド幅を持っており、PCIバス(64bit)をはじめ、IEEE-1394、Ethernet、オーディオやビデオのインターフェイスなどが直結されている。

【バスクロックとバンド幅】
クロック32bitバス64bitバス
33MHz133MB/秒266MB/秒
66MHz266MB/秒533MB/秒
100MHz400MB/秒800MB/秒
133MHz533MB/秒1,066MB/秒
166MHz666MB/秒1,333MB/秒
200MHz800MB/秒1,600MB/秒
266MHz1,066MB/秒2,133MB/秒
400MHz1,600MB/秒3,200MB/秒
注)100MHzを基準に33MHzを100MHzの1/3(=33.333MHz)というように計算している。

□SGIのホームページ
http://www.sgi.co.jp/
□Visual Workstationのページ
http://www.sgi.co.jp/visual/
【参考】
□FSB
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981105/key53.htm#FSB
□AGP
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980513/key29.htm#AGP
□PCI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980617/key34.htm#PCI
□64bit PCIバス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980826/key43.htm#64bitPCIbus
□IEEE-1394
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971118/key7.htm#ieee1394



 
■■AMUAMUの「アキバの楽屋から」 ~1999年のパソコン市場はどうなる?~
  「メーカー先取り情報で秋葉原パソコン市場を予想!」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990112/akiba.htm

DDR SDRAM(Double Data Rate Synchronous DRAM)

 クロック信号の両エッジに同期してデータ転送を行なうSDRAM。

 SDRAMは、メインメモリなどに使われているDRAM(Dynamic Random Access Memory)のひとつで、クロック信号に同期して動作するタイプを指す。特に、まとまったデータを連続して転送するバースト転送時には、1クロックの高速転送が実現できるため、最近のPCではSDRAMを採用するシステムが多い。

 一般に使われているこれまでのSDRAMは、クロックの立ち上がりを使ってデータの転送を行なうのに対し、立ち上がりと立ち下がりの両方を使用し、同じクロックで2倍のデータ転送(Double Data Rate)を実現するタイプをDDR SDRAMという(Rambus DRAMなどでも同様の技術が使われている)。

 DDR SDRAMの仕様は、半導体デバイスの業界団体JEDEC(Joint Electron Device Engineering Council)で標準化されており、'98年には、現行のDIMMと同じ184ピンのDIMMが、PC市場向けのメモリモジュールに採用されている。

□JEDEC (英文)
http://www.jedec.org/
【参考】
□SDRAM
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980701/key36.htm#sdram
□Rambus DRAM
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980610/key33.htm#Direct_RDRAM



 
GIGAMO
ギガモ

 富士通とソニーが共同で開発した、ギガバイト級の容量を持つ3.5インチMO(Magneto-Optical disk~光磁気ディスク)。'98年に1.3GBの製品(ドライブは富士通、メディアはソニーから)をリリース、'99年2月から量産出荷予定。

 MOは、磁気的に記録された内容を光学的に読み出している。具体的には、ディスクの磁性面に弱いレーザー光を当て、反射光の偏光面の違い(光は磁場によって偏光する性質を持つ)を検出しているのだが、照射するレーザー光のビーム径によって読み取り限界が決まってしまうため、これまでの技術では3.5インチで1GBが限界といわれていた。

 GIGAMOでは、ビームスポット内の温度分布と磁性を利用したマスキング効果によって、ビーム径よりも微小な磁気情報を読み取るMSR(Magnetically induced Super Resolution~磁気超解像)技術を採用。現行の光学ヘッドを変えずに高密度化を実現している。

 GIGAMOのメディアは、通常のMOにある記録層の上に再生層が設けられており、一定の温度で、記録層の磁気マークが再生層に転写されるようになっている。ビームスポット内の温度分布は、照射時間が短い進行方向のエッジ側では低く、反対側にいくにしたがって高くなるが、再生層にはその途中の一定温度の部分だけが浮かび上がってくるので、実質的にビーム径を小さくしたのと同じ効果が得られ、高密度のマークが識別可能となる。このMSR方式によって、3.5インチで2.5GBクラスまでの大容量化が可能といわれている。

□GIGAMO規格の概要
http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/aboutmo/gformat.html
□やさしい技術講座~光磁気ディスク装置
http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/flab/gijutsu/mo/homepage.html
□MOソリューション(富士通)
http://www.fujitsu.co.jp/hypertext/aboutmo/
【参考】
□MO
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981112/key54.htm#MO


1月14日

■■アイオー、1つのE-Mailアカウントを最大8人で共有できるIPルータほか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990114/iodata.htm

RASサーバー(RAS~Remote Access Service)
ラスサーバー

 電話回線などを使って、遠隔地からネットワークに接続できるようにするための機能を提供するソフトウェアやハードウェア。

 RASは、一般にはWindows NTが提供する(古くはLAN Managerもサポート)リモートアクセスのためのサーバーサービスのことを指すことが多く、同サービスのクライアントソフトは、Windows 95/98/NTなどに標準で組み込まれている。これを利用することにより、Ethernetなどのケーブルで接続したのと同様のネットワーク環境が、公衆回線経由でも利用可能となる。

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp