【新春企画

あけまして おめでとうございます

編集長よりウォッチシリーズ読者へ新年のご挨拶


 昨年は、インプレスの電子メール新聞「ウォッチシリーズ」やTechWire Japanをご購読いただき大変ありがとうございました。ウォッチシリーズは、1997年に「MUSICWatch」TechWire Japan「MOVIE Watch」の三紙を創刊いたしました。1998年もさらに新しいWatchを創刊する予定ですのでご期待ください。

 さて、我々がINTERNET Watchという電子メール新聞のコンセプトを出したのが1995年。この年、弊社がインターネットマガジンを創刊し、JavaやShockwaveなど今やあたりまえの技術が登場。さらに年末にマイクロソフトがインターネットへの全面攻勢を宣言した、インターネットブーム幕開けの年でした。1996年は、Internet World Expoが開催され、インターネットがパソコン業界だけでなく世の中全体を席巻した年でした。コンピューター関連誌だけでなく一般誌でもこの年のキーワードとしてインターネットを選んでいます。

 では1997年はどうだったかというと、消費税アップとともに実体化した不況の波の中で、インターネットブームの「バブル」的側面がはじけた年だったのではないでしょうか?それは、否定的な意味だけではなく、インターネットが「実験・挑戦」のフェーズから実用のフェーズへ移ったということでもあると思います。「発信できることが楽しい」から「何を発信するのか」「発信によってどのようなメリットが得られるのか」といった明確な目的をもったメディアに変わったのだと感じています。

 昨年のFree Watchでの年始の挨拶で書いた「利用に値するコンテンツが少ない」というのは、一年で大きく変わりました。ぴあANAなど、当初インターネット上での実用的サービスに消極的だった企業も情報提供や予約サービスをやるようになり、官公庁のホームページも無意味な挨拶ではなく、実のある情報が掲載されるようになってきています。

 しかし、私がもっとも注目した1997年の動きは、個人による電子メール新聞の爆発的普及です。これは、United Digital社が提供されている「まぐまぐ」というシステムを抜きには考えられないと思います。こうした、個人に対するメール配信システムの提供はすばらしいアイデアで、正直にいって「してやられた!」という気持ちでいっぱいです。ただ、「まぐまぐ」の登場だけが個人ベースの電子メール新聞を押し上げたわけではないでしょう。

 それは、電子メール新聞が一番手軽で、一番アピールできるメディアであるということを、「肌で分かってきた人が多くなった」ということだと思います。Webで待つより積極的に配信することが可能で、今のプッシュ技術より確実に読者の目に届くメディアとして電子メールが見直されたのだと思います。弊社の広告担当への各社のリクエストを見てもそれが伺えます。積極的に告知するメディアとして電子メール広告が認知され始めています。企業によっては「メール広告のみでいく」とまでおっしゃっているところもあります。

 1998年、我々は電子メール新聞というコンセプトを提案したものとして新たなステップへ踏み出すつもりです。一年間で100紙創刊とやや大袈裟に報道されましたが、意気込みだけは100紙のつもりでがんばりたいと思っています。今までのウォッチのイメージを大きく覆すものも登場させるつもりです。皆さんの予想を越えて、しかし「こんなウォッチを待っていたんだ」といわれるようなウォッチを創刊していきたいと思います。どんなウォッチが登場するか予想しながら楽しみにお待ちください。

1998年 元旦
ウォッチ編集部 編集長 山下憲治



【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp