【イベント】

COMDEX Fall '97会場レポート第1弾
~Windows CE 2.0搭載H/PCが出揃う~

'97/11/17~21(現地時間)開催


 Windows CE 2.0の実質的なデビューの場となったCOMDEX Fall '97。会場にはHandheld PC(H/PC)を中心に対応機器が多数出展された。なかには携帯電話にWindows CE 2.0を搭載したプロトタイプも見られた。

●LG Electronics


 「PHENOM」は8MBメモリ、640×240ドットのELバックライト付モノクロ液晶ディスプレイを搭載した標準的な仕様のH/PC。本体サイズやデザインも従来のH/PCとほとんど変わりがない。カードスロットはPCMCIA Type2×1とコンパクトフラッシュ×1。ほかに、21.6Kbpsのソフトウェアモデムを内蔵し、VGA出力も持っている。このVGA機能については、「Windows CE 2.0側で持っているPocket PowerPoint Viewerと一緒に使えば、外出先でプレゼンテーションを行うのに便利」と説明している。ほかに、液晶下側にアプリケーション起動用の平面タッチパネルが用意されているのが目につく。

 ブース内ではとりわけ大きなスペースを割き、巨大なPHENOMオブジェを置くなど、PHENOMへの力の入れようがうかがえた。

□LG Electronicsのホームページ
http://www.lgeus.com/
□LG ElectronicsのH/PC製品情報
(11月19日現在、旧型機のみ掲載)
http://www.lgeus.com/hpc/


●HITACHI Home Electronics


 まだ製品名の決まっていないという新型のH/PCを出展。「Hitachi's Next-Generation Handheld PC」と題し、数台のデモ機を公開した。仕様やデザインの細かい部分までLGのPHENOMとほぼ同じ。価格は700ドル前後。

【主な仕様】

□ニュースリリース(和文)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/9711/1117a.html

●SHARP ELECTRONICS


 会場でもっとも力の入った展示を行い、そして人を集めていたのがこのブース。米国法人とはいえ、PDAではザウルスという人気商品を持っていることから、日本国内でも発表直後から注目を集めていた製品。「mobilon」シリーズと名付けられたこのH/PCは、メモリ容量と液晶ディスプレイなどの違いにより3機種が用意されている。

 HC-4000がメモリ4MB、バックライト付16階調モノクロ液晶を搭載、HC-4100がメモリ12MB、HC-4500がメモリ16MBにハイカラー表示が可能な液晶ディプレイを搭載している。ほかに共通の仕様は、33.6Kbpsモデム内蔵、PCMCIAスロットType2×1。また、パワーザウルスのオプションとよく似ている4倍ズーム(デジタル2倍、光学2倍)機能付きのデジタルカメラが専用オプションとして用意されているのが目を引く。このカメラはType2のスロットに挿してそのまま利用することができる。ZAURUS英語版のデータをコンバートして利用するためのInteliMigrateや、Irポートを使って直接ZAURUSと通信するソフトが同梱されているのが、いかにもシャープらしい。

【主な仕様】
HC-4500 HC-4100 HC-4000
CPU MIPS R3912 73.7MHz
液晶 6.5インチSTN(256色カラー) 6.5インチDFSTN(16階調グレースケール)
解像度 640×240ドット
メモリ 16MB 12MB 4MB
モデム 33.6kbps
サイズ(W×D×H) 186×95×29.6mm 186×93.6×26.4mm
PCカードスロット Type2×1
コンパクトフラッシュ なし
重量 約490g 約410g
電源 ニッケル水素バッテリ 単3電池×2
駆動時間 未公開 24時間
店頭価格 900ドル前後 700ドル前後 600ドル前後
□製品紹介(英文)
http://www.sharp-usa.com/mobilon/
□関連記事
【10/14】シャープ、アメリカでWindows CE 2.0対応H/PC「Mobilon」を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971014/sharp.htm


●HP

 HP-360LXとHP-620LXは従来のHP-320LXの後継で、デザインもほぼそのまま。HP-360LXは640×240ドットのバックライト付白黒液晶で、HP-620LXはカラー液晶を搭載している。メモリはHP-620LXが16MBで、HP-360LXが8MB。HP-360LXにはVGA出力機能も搭載されている。

【主な仕様】

製品名HP 620LXHP 360LX
CPU32bit RISC CPU 75MHzSH-3 60MHz
液晶640×240ドット、256色カラー640×240ドット、16階調グレースケール
メモリ16MB8MB
モデムなし
サイズ(W×D×H)198×104×36mm183×94×29mm
PCカードType2×1
コンパクトフラッシュ1スロット
重量586g457g
電源リチウムイオン単3電池×2

□ニュースリリース(英文)
http://www.hp.com/handheld/handheld_devices/index.html


●NEC


 「MobilePro 700」は最もサイズの大きなH/PCで、国内で販売中の非Windows CE対応の「モバイルギア」とほぼ同じ。サイズの大きな液晶とキーボードが特徴。製品では640×240ドットのバックライト付き白黒液晶を搭載しているが、ブースではカラー液晶を搭載したモデルを参考出展していた。この機種も、VGA出力機能を持っている。

【主な仕様】

□ニュースリリース(英文)
http://www.nec-computers.com/products/mobilepro/mpro700.html


●PHILIPS

 独自開発のMIPS系プロセッサを採用した「VELO 500」は、動作スピードの速さとメモリの大容量な点が特徴。動作スピードは実際に触ってみた限りでは、体感で最も速く感じられた。液晶は640×240ドットのバックライト付き液晶。メモリは16MBと24MBの2種類。28.8Kbpsのモデムを内蔵している。外部メモリカードにIntelが提唱したミニチュアカードが使えるというのもユニークな点。

【主な仕様】

□製品情報
http://www.velo.philips.com/products/hardware/velo500.html


●SAMSUNG

 携帯電話とH/PCが合体したようなマシン。側面中央部からシェル型に開くと、中から白黒液晶ディスプレイが開く仕組み。詳細な内容についてはプロトタイプということで明かされなかったが、来年中には製品化したい意向という。

□SAMSUNGのホームページ
(11月18日現在、この製品の情報は掲載されていない)
http://www.samsung.com/


●CASIO Computer

 CASIOは、国内のイベントでもすでに公開済みのCASSIOPEIA A-20を展示。8MBメモリを搭載し、プロセッサはSH-3の80MHzだ。やはり液晶は640×240ドットのバックライト付きモノクロ液晶が採用されている。ほかと比較して突出した特徴はなく、デザインも従来のモデルを踏襲したものとなっている。バンドルソフトが豊富だという点にも変わりはない。出荷は12月下旬、店頭価格は600ドル前後を予定。

【主な仕様】

□ニュースリリース(英文)
http://www.casiohpc.com/low/pressrelease4.html


●COMPAQ Computer

 Compaq C-Seriesは同社が新たに自社開発したという新型H/PC。MIPS系のプロセッサを搭載し、ディスプレイは640×240ドットのカラー液晶、33.6Kbpsのモデムが内蔵されている。同社の従来のH/PCは他社からのOEMだったが、今回は自社開発であるという点が注目される。


□ニュースリリース(英文)
http://www.compaq.com/newsroom/pr/pr171197a.html


□COMDEX Fall '97のホームページ(英文)
http://www.comdex.com/comdex/owa/event_home?v_event_id=38

[Reported by fumitake@impress.co.jp/seino@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp