2001 CES会場レポート

Iomega、リムーバブルHDD「Peerless」を展示など

会期:1月6日~1月9日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
   Las Vegas Hilton
   Riviera Hotel
   Alexis Park


●Iomega、リムーバブルHDDプラットフォーム「Peerless」

 Iomegaは5日(現地時間)、新開発のリムーバブルHDDプラットフォーム「Peerless drive system」を発表し、CESで参考展示を行なった。

 「Peerless」は専用のドックと、専用HDDユニットを使用するリムーバブルHDD。縦型のドックにはUSBまたは、FireWireを搭載し、ドックにHDDユニットを装着すればHDDとして使用可能。WindowsとMacintoshの両方に対応している。転送速度はFireWire使用時で約15MB/sec。なお、第1弾はUSBとFireWireモデルが用意されるが、今後SCSIとUSB 2.0対応版も発売予定としている。

 出荷開始は米国市場向けには2001年中ごろ、ヨーロッパとアジア市場向けには第3四半期が予定されている。価格はインターフェイス付属のモデルが249ドル、5GBのユニットが129ドル、10GBユニットが159ドル、20GBユニットが199ドルの見込み。

 Iomegaでは、Peerlessをプラットフォームとして、色々な機器に組み込むこと狙っている。そのため、会場ではDVR(デジタルビデオレコーダ)や、ゲーム機などへの組み込み例を示していた。ただし、いずれもモックアップでパネルには「これらの製品は、それぞれの機器のメーカーの支援によるものではなく、Iomega製品と関係あるわけでも決してない(The makers of these consumer electronics products do not sponsor or endorse and in no way affiliated with Iomega's product.)」と記されていた。

□ニュースリリース(英文)
http://www.iomega.com/prreleases/2000/usb_powered_drive.html

 また、IomegaのブースではUSBバスパワードのZip 250MBドライブと、新デザインを採用したZip 250メディア「Zip U250」も展示されていた。Zip 250MBドライブにはZip U250が同梱され、すでに米国では出荷を開始している。価格は180ドル。ヨーロッパとアジア地域では第1四半期から出荷の予定。

 Zip U250はディスクの後部が丸み帯びた「U字型」のデザインを採用しているが、従来のドライブでも問題なく使用できるとのことだ。

□ニュースリリース(英文)
http://www.iomega.com/prreleases/2000/usb_powered_drive.html


●TDK、3倍密度CD-R/RWの実物は見当たらず

プレスカンファレンスで公開されたパッケージ写真。名称やロゴなどのデザインは発売時には変更されるとのことだ

 TDKは10月30日に、Calimetricsのもつ 「MultiLevel Recording(ML)」技術を応用した3倍密CD-R/RW規格を発表した。今回のCESではプレスカンファレンスが行なわれ、協力メーカーに従来のプレクスター、三菱化学に加え、三洋が加わったことを発表。これにより、MLドライブにバッファーアンダーランエラーを防ぐ「BURN-Proof」機能が搭載できるようになった。

 この時、配布された資料では、各メーカーのブースでMLドライブが展示されると書かれていた。しかし、三菱化学、プレクスターは出展しておらず、出展している三洋のブースでもMLに関する展示は行なわれなかった。

□関連記事
【10月31日】米TDK、2GB容量の3倍密度CD-R/RW規格
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001031/tdk.htm


●新型ディスプレイ続々登場

 今回のCESでは、IBMは大きなブースは出していなかったが、ミーティングルームでは目新しいディスプレイが展示されていた。最近になって各社が製品化を行なっている、有機ELディスプレイ(OLED)だ。

 まだ、OLEDディスプレイは大型化が難しく0.87インチとかなり小型。しかし、解像度は640×480ドットあり、741ppiという高解像度だ。実際にプロトタイプも見せてもらったが、イエローゴールドのモノクロだがコントラストも高く、写真などもかなり鮮明に表示されていた。

 また、inVisoは眼鏡型のディスプレイ「eShades」を参考出品した。eShadesはLiquid Crystal on Silicon (LCOS)を採用しており、1/2インチ800×600ドットのLCOSを使用することで、約76cm先に19インチディスプレイが浮かび上がるとしている。消費電力は2W、ツルの部分にはイヤーフォンも備えている。

 今年中に商品化を予定しており、600ドル程度になるという。実際に見た画面は明るく、実用十分な印象を受けた。

□技術解説(英文)
http://www.inviso.com/ergonomic_wp.html



●音声も追加できるデジタルフォトプレーヤー

 Feiyaは、音声も追加できるデジタルフォトプレーヤー「PhotoMagic」を参考出品。CF Type1/2スロットを備え、テレビで写真を再生できるほか、PowerPointファイルとして音声を追加することも可能。また、MP3の再生/録音にも対応しているという。

 外形寸法は146×119.6×27.36mm(幅×奥行き×高さ)、重量は160g。PC用インターフェイスはUSBとRS232C、VGA出力を備える。また、赤外線リモコンもオプションで用意される。

 出荷は夏頃を予定。OEM生産が基本とのことで、OEM価格は199ドル。各メーカーのデジタルカメラのオプションとして、OEM供給したいとしている。なお、詳細な仕様については、OEM供給先との相談に応じると話していた。


●CDビデオレコーダ普及の兆し?

 2000年6月に開催された「COMPUTEX TAIPEI 2000」のレポートで、CD-Rに録画する「VideoCDレコーダ」を紹介したが、今回のCESではさらに種類が増えていた。

 まず、Amoisonicの「VDR2000」は、オーソドックスな機種。CD-Rまたは、CD-RWのメディアにVCD、SVCD、音楽CDが書き込める。既に販売を開始しており、価格は750ドル。

 そして、驚くべき多機能を誇るのがdatavideoの「VDR-3000」だ。まず、記録できる形式がVCD(録画時間74分)、高画質VCD(同37分)、SVCD(同37分)に加え、CD-RにDVDビデオ形式で記録するcdDVD(同18分)にも対応している。さらに、DVD-Photo(静止画)も98枚収録することが可能となっている。

 機能面でもDV(i.LINK)端子を備えており、DVカメラとも接続できる。また、出力端子もコンポジットやS端子はもとより、コンポーネント端子(Y.U.V、RGB切り替え)も装備。記録時間が短いことを除けば、機能面ではDVDビデオレコーダに匹敵するといえるだろう。

 ただし機能が充実している分だけ価格が1,600ドルと、かなり市場価格が下がってきたDVDビデオレコーダと大きな差はないので、商品として魅力があるかは疑問だ。

VDR-3000

□関連記事
【6月8日】CD-R/RWに録画するVideoCDレコーダが登場、ほか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000608/taipei13.htm

□2001 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/

(2001年1月10日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]


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