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アメリカンメガトレンド
あな診 AMIDiag Ver.6

ハードウェアの動作を診断するAMIDiagに
日本語パッケージが登場

TEXT:管生卓也 Takuya Sugeo



メニューはデバイスのカテゴリ別に分けられているため理解しやすい
 PCを組み立てたり、パーツを増設したりした際に、ハードウェアがうまく認識されなかったという経験を持つユーザーは少なくないだろう。そして、この原因が、OSやドライバに起因するのか、ハードウェアそのものに起因するのか、問題を切り分けられないことも多い。そんなときにハードウェア側の動作状態を診断してくれるのが「あな診 AMIDiag Ver.6」(以下、あな診)だ。AMIDiagシリーズは古くからPCメーカーやハードウェア設計者に使用されていたプロフェッショナル用途のチェックソフトで、その最新バージョンの日本語版がパッケージ発売されることになったのだ。開発元のAmerican MegatrendsはAMI BIOSで知られる大手BIOSメーカーであるとともに、サーバー向けマザーボードやRAIDカードも手がけるハードウェアメーカーでもある。そのため、各種ハードウェアに関するノウハウは豊富で、厳密なチェックが多数用意されている。

 あな診の主なチェック項目はCPU、メモリ、BIOS、SCSIデバイス、IDE HDD、ATAPI CD-ROMドライブ、ビデオ、サウンド、PS/2、USBなどのデバイスや、IRQ、DMA、IOポートの使用状況などである。今回のバージョンからATAPI DVD-ROMドライブ、スーパーディスクドライブ、Zipドライブ、PCIサウンドカード、ACPI機能などが新たにサポートされた。各デバイスごとにチェック項目は異なるが、たとえばメモリであれば、各種パターンの書き込み、読み出しによるエラーチェックや、アドレスバス、データバスの動作チェック、ECCの動作チェックなどが可能。IDE HDDであれば、書き込み、読み出し、ブートセクタの動作チェックなどが行なえるほか、CD-ROMドライブではオーディオの再生や、読み出しデータの互換性チェックなども行なうことが可能だ。また、動作チェックのほかに、マルチプロセッサ環境やストレージデバイスに関しては、パフォーマンステストも行なうことが可能となっている。


HDDのパフォーマンステスト HDDのシークテスト
1種類のデバイスに対して多角的な診断を行なうことができるのもあな診の特徴だ

エラーコードが表示されたら、ヘルプを呼び出して症状と対策を把握する
 本製品はOSやドライバなどの影響を最小限に押さえるため、インストール時に作成した専用の起動FDを使って実行される。起動時以外に使用されるファイルはHDDにインストールすることで動作の高速化も図ることが可能だが、FD2枚に実行ファイルをまとめることも可能なため、HDDを搭載していない環境や、HDDの動作そのものが不安定な環境でも実行可能となっている。

 メイン画面はチェック対象機器ごとにメニュー分けされており、チェック対象外の項目は選択できなくなっているため、初めての起動でもとくに迷うことはないだろう。ただ、起動時に接続されているデバイスを確認して、存在しないものを対象外にしていると思われるのだが、筆者の環境ではプラネックスコミュニケーションズのネットワークカードFNW-9700-Tを認識しなかった。今回試用したものはβ版のため、発売時には改善されていることを願いたい。


テストログはファイルに保存してエディタから開くことが可能だが、あな診から閲覧することもできる
 テストの結果、エラーが検出された場合はエラーコードが表示されるので、このコードにカーソルを重ねてF1キーでヘルプを呼び出せば、エラー内容とその対策が表示される。また、各テストのログはテキストファイルやプリンタに出力できるので、結果を残しておくこともできる。なお、ログファイルはあな診からも直接閲覧できる。

 大量のチェック項目を一つ一つ選択してテストを行なうのは、長い時間も必要でめんどうに感じるかもしれないが、あな診はバッチモードも備えているため、オプションをあらかじめ設定しておけば一括してチェックを行なうことができる。チェック対象のマシンが何台もある場合や、定期的にチェックを行ないたいときに便利な機能だ。

 あな診はベンチマークソフトのようにどこがパフォーマンス的なボトルネックなのかを知るためのツールではないが、PCの動作が不安定な場合のチェックや、組み立てたPCの動作チェックを厳密に行ないたい場合に有効なものと言える。ややイレギュラーな使い方ながら、オーバークロック設定のPCの動作検証に使用してみるのもおもしろいのではなかろうか。


  • 製品名:あな診 AMIDiag Ver.6
  • 標準価格:9,800円
  • メーカー:株式会社アメリカンメガトレンド
  • 問い合わせ先:support@amijapan.co.jp
  • URL:http://www.amij.com/
  • 対応OS:MS-DOS/V 6.2以降
    □動作環境
     ・CPU:i386(互換CPU)以上
     ・メモリ:32MB以上
     ・その他:ディスプレイ、キーボード必須
     ・3.5インチFDDまたはCD-ROMドライブ必須


    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □アメリカンメガトレンドのホームページ
    http://www.amij.com/
    □製品情報
    http://www.amij.com/shop/diag.pdf(PDF)


    【PC Watchホームページ】


    ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp