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マイクロソフト、Vista/Office 2007の
企業向けライセンスを提供開始

Windows Vista

11月30日 提供開始



 マイクロソフト株式会社は11月30日、Windows Vista(以下Vista)、the 2007 Office system(同Office 2007)、およびExchange Server 2007の企業向けボリュームライセンスを全世界で提供開始した。

 VistaのRTMバージョンは11月8日(米国時間)に、Office 2007は6日(同)に完成しており、30日の発表をもって、予定通りに企業向けボリュームライセンスを提供することになった。

 なお、WindowsとOfficeの同時提供開始はWindows 95/Office 95以来、11年ぶりとなる。また、両製品は世界8カ所で同日にライセンス提供開始され、マイクロソフトにとっては初の試みとなる。

●Vistaは新しい仕事環境を提供する

代表執行役 ダレン・ヒューストン 社長

 ライセンス提供開始の同日に開催された発表会では、同社 代表執行役 ダレン・ヒューストン社長が出席し、VistaとOffice 2007による生産性向上についてアピールした。

 冒頭で同氏は過去を振り返り、「Windows 95とOffice 95の登場以前、業界全体での生産性の向上は年率1.4%だったが、登場後は2%以上に改善したというデータがある。今回提供開始するVistaおよびOffice 2007によって、仕事環境がさらに改善され、この数値をさらに向上させる革新的な製品だと確信している」と説明した。

 現在の仕事環境の変化のトレンドとしては、海外への進出やアウトソーシングの普及による地理を超えた仕事環境、常時接続による情報の透明性の向上と検索に費やす時間の増加、長期的な競争力の実現に欠かせないコストダウンの重要性、そしてJ-SOXや個人情報保護法の実施などによるセキュリティの強化を取り上げ、「これらの仕事環境の変化に対応できるソフトウェアとして、VistaとOffice 2007がその役割を果たせるものだと考えている」とアピールした。

 新製品のボリュームライセンスの全世界での提供開始に関しては、「シドニーに続いて日本は2番目だが、同日に全世界8カ所で発表するのは初の試みであり、ソフトウェアの進化により実現できたものだと感じている」と語った。

歴代のWindows/Office製品 新しい仕事のトレンドとソフトウェア対応の必要性 VistaとOfficeは全世界で同時にライセンス提供開始

 続いて、VistaとOffice 2007による生産性向上の実例として、ヒューストン氏自身がVistaとOffice 2007がインストールされたPCでデモを行なった。

 デモでは、同氏が出社してからの作業を想定し、まずはスタンバイ状態から4秒で復帰できる機能をアピール。続いてOutlookを起動し、届いたスパムメールを自動的にジャンクメールとして振り分ける機能を見せ、仕事時間を有効に活用できるとアピールした。

 また、Outlook内からPowerPointファイルをプレビューしてスライドの内容を確認できる機能、SharePointによる社員情報の検索からExcelの条件付書式による社員のステータス解析などをデモし、「わずか15分で、私自身の力で他人に頼らずに、さまざまなデータを処理することができた」とアピールした。

スタンバイから4秒程度で復帰する。「コーヒーを入れる暇も新聞を読む暇もない」とヒューストン氏 Outlookの起動画面。これが実際のヒューストン氏のスケジュールだそうだが、「ソフトウェア以上にスケジュールが(詰まっており)現実的ではない」と笑いを誘う Outlookでメール添付のファイルをプレビューできる機能
社員の情報を分析し、社員のステータスや評価などをExcelの条件付書式を利用して視覚化 Outlookの検索もリアルタイムに絞り込みが行なわれる SharePoint上のデータの更新を確認できる

 VistaとOffice 2007に賛同または開発に携わったパートナーとして、富士ゼロックス、大塚商会、NEC、リコー、日本ユニシスの5社を紹介。いずれもVistaとOffice 2007、Exchange Server 2007の開発に協力し、対応製品を出荷すると発表したほか、新プラットフォームを利用した新しいサービスによるビジネスチャンスについてアピールした。一方、VistaとOffice 2007の導入が決定した会社として三洋電機を取り上げ、「ThinkGAIA」プロジェクトの一貫としてVistaとOffice 2007を導入し、製品に反映していきたいという野中ともよ会長のビデオメッセージを紹介した。

ビジネスパートナー各社の一覧 富士ゼロックス 小山眞一 取締役。SharePoint 2007のドキュメントマネジメントで協業している 大塚商会 片倉一幸 取締役兼上席常務執行役員。エンドユーザーのニーズにあったセキュリティポリシーを適用したVista/Office 2007搭載製品を出荷
NEC 井上勝己 第二コンピュータソフトウェア事業部長。Exchange Server 2007対応製品の出荷およびMate機のBitLockerサポートを表明 リコー 佐藤芳郎 ソリューションマーケティングセンター 副所長。Grooveの環境構築サービスなどを提供 日本ユニシス 岩藤誠 商品企画部長。Exchange Server 2007やSQL Serverの構築サービスを提供
VistaおよびOffice 2007の採用を表明している企業 三洋電機の野中ともよ代表取締役会長兼CEOがビデオメッセージを寄せ、採用を表明した

 最後にヒューストン氏は、日本でのオープンシステムの導入の少なさ、中小企業のPC導入台数の少なさ、政府利用度の低さなどのデジタルワークスタイルの課題を掲げ、これらを改善していくためには企業が「攻めの姿勢」を持たないとならないと指摘。「Vistaがもたらす新しいワークスタイルにより、企業の競争力を強化してもらいたい」と語った。

 質疑応答では、PCの要求スペックの高さに対してVistaがどれほど受け入れられるのかという質問がなされ、ヒューストン氏は、「確かにVistaのPCへのスペック要求が高いが、Vistaの動作スペックを満たすPCは各メーカーから発売されているだけでなく、VistaとOffice 2007による生産性向上の価値は見て明らかである。日本は、ハードウェアとソフトウェアの償却期間が長いという歴史を持っているが、企業にもっと現実を見つめ直してもらい、業界の変化に適用できる製品の導入を前向きに検討してほしい」と答えた。

VistaとOffice 2007のメリット ライセンス出荷記念として発表会で配られた特製カステラ

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=2895
□関連記事
【11月9日】Microsoft、Windows Vistaが完成。発売日を正式発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1109/ms.htm
【11月7日】Microsoft、「2007 Office system」が完成
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1107/ms.htm

(2006年11月30日)

[Reported by ryu@impress.co.jp]

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