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【やじうまPC Watch】
松下の草津事業所から、「てんぷら油トラック」が発進

集まった17台のてんぷら油トラック

5月25日運用開始



テープカットの模様

 松下電器産業株式会社は、てんぷら油を原料とした「バイオディーゼル燃料」で走行する業務用車両を、同社の滋賀県草津の事業所で導入することを発表した。

 25日から運行が開始されるのに伴い、滋賀県の松下ホームアプライアンス社 草津地区に報道陣を集め、出発式が行なわれた。

 今回のプロジェクトは、環境経営の一環となる取り組みで、同社の社員食堂の使用済みてんぷら油を原料とし、「バイオディーゼル燃料」を精製。その燃料で動くトラックやフォークリフトなど業務用車両23台を披露した。バイオ燃料に対応した17台のトラックは、草津事業所に出入りするトラックのおよそ1割にあたるという。

 バイオディーゼル燃料は、植物由来の物質を原料とする燃料の総称。同社では「植物が成長段階でCO2を吸収することから、大気中のCO2濃度に悪影響を及ぼさない燃料」としている。今回のプロジェクトでは、通常の軽油が80%、てんぷら油を原料としたバイオ燃料が20%含まれた混合燃料「B20」を使用している。

 このバイオ燃料のコストが「精製や車両の対応、廃油の回収コストを総合すると軽油と同額」であることに加え、既存のディーゼル車に、専用のフィルターを取り付けることで対応できるため、コスト面でも大きな負担がないのが特徴。エンジン音や排気ガスのにおいは、一般のトラックとほとんど変わりはない。なお、現在使用している「B20」は、燃料のおよそ2割にあたるバイオ燃料がブレンドされているが、この比率は、バイオ燃料の精製量などの関係で、当面据え置かれるという。

 今回出発したトラックは松下グループのものだけではなく、グループの物流を手がける地元の運輸業者のものも含まれており、地域ぐるみの活動として取り組んでいる。今後は、県の環境保全協会にも働きかけ、地元の交通事業者や自治会にも活動を拡大する考えだ。同社では滋賀地区の物流において、今日出発したバイオディーゼル車を継続的に利用する予定で、年間30~50トンのCO2の削減が見込めるという。環境部門のスタッフによれば、「工場などの環境対応はどのメーカーでも取り組んでいるが、物流でこうした取り組みは家電業界でも珍しいのでは」とコメントしている。

 今後の課題としては、「給油ネットワークの整備」が挙げられる。滋賀県内で数カ所しか給油所がないため、現在はほぼ、滋賀県内に限定して部品調達、社内物流、出荷、廃品物流に利用されているという。

 出発式では松下電器産業 松下ホームアプライアンス社 副社長の関正信氏が挨拶し、「地域で出た廃油を地域で精製し、地域で再利用する。こうした取り組みを今後、全国、世界へと広げていきたい」とコメントした。今後、同社は松下電器グループの従業員の家庭からの回収、さらにはグループ外の企業からも回収を予定している。

まだ数は少ないが、事業所内で使用するフォークリフトや、従業員が通勤に使う自家用車にも導入されている バイオ燃料の元となるてんぷら油を回収している社員食堂

トラックには、バイオ燃料を使用したトラックであることを示すシールが貼られていた 松下ロジスティクスのトラックは、バイオ燃料と電気のハイブリッドカー

草津事業所の受付には、同社の生活家電の最新モデルが展示されている 出発式が行なわれた松下電器産業株式会社 松下ホームアプライアンス社 草津地区

松下電器産業 松下ホームアプライアンス社 副社長の関正信氏 松下ホームアプライアンス社 草津地区の外観 【動画】出発式の模様(WMV, 7.69MB)

□松下電器産業のホームページ
http://panasonic.co.jp/
□松下電器産業 環境活動について
http://panasonic.co.jp/eco/

(2006年5月26日)

[Reported by ito-d@impress.co.jp]

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